亡くなったご家族の車を売るときは、車の値段を調べることと、誰が売却できるのかを確認することを並行して進めます。名義変更前でも買取の相談はできますが、契約・引き渡しは相続関係と必要な登録手続きを整えてから進めるのが基本です。

この記事は普通車などの「登録自動車」を対象に、書類を集める順番と、状況によって手続きが分かれる点を解説します。軽自動車については、窓口と書類が異なる軽自動車の相続・名義変更の案内をご覧ください。

最初に車検証の「所有者」を確認する

普段乗っていた人が、登録上も所有者とは限りません。車検証に加え、電子車検証の場合は「自動車検査証記録事項」などで、所有者・使用者・住所・車検の有効期間を確認してください。

確認できた内容次に確認すること
所有者が亡くなったご家族相続人と、その車を誰が取得するか。相続による登録手続きの書類を確認します。
所有者が販売店・ローン会社契約先へ残債と所有権解除の条件を確認します。使用者の死亡だけを理由に、所有者の手続きを省くことはできません。
車検証が見つからないナンバー、車台番号が分かる資料、保管場所を整理し、登録窓口へ必要な手続きを相談します。書類を推測して作らないでください。

ここで所有者を確かめておくと、相続の戸籍を集めた後に、実は先にローン会社への連絡が必要だったという行き違いを減らせます。

必要書類は「車」「相続」「新しい所有者」に分けて考える

下表は、相続人のうち一人が車を取得する場合の整理です。実際には遺言、遺産分割、相続人の人数、売却先などで組み合わせが変わるため、すべてを一律に集める一覧ではありません。

確認する対象書類の例と役割
対象の車車検証。電子車検証では記録事項も確認し、車検の有効期間と登録情報を把握します。
亡くなった方と相続人戸籍謄本等、または法定相続情報一覧図。死亡の事実と相続人が分かる資料が必要です。
誰がその車を取得するか遺産分割協議書、遺言書、調停調書等、相続の経緯に合う書類。相続人が一人の場合など、扱いが異なることがあります。
取得する相続人印鑑証明書、実印を用いる書類、代理人へ任せる場合の委任状等。印鑑証明書は発行後3か月以内とされるため、提出日から逆算して準備します。
使用者・使用の本拠住所を確認する資料や車庫証明等。所有者と使用者が異なる場合、本拠が変わる場合は追加確認が必要です。

国土交通省の相続人一人が単独で相続する手続きでは、各書類の要件が示されています。これは関東運輸局の案内です。徳島・香川で提出する場合も、最終的な書式、有効期間、原本・写しの扱いは、使用の本拠を管轄する登録窓口で確認してください。

「車の価値が100万円以下」なら何が変わる?

一定の条件を満たす場合、遺産分割協議書に代えて「遺産分割協議成立申立書」を提出できる取扱いがあります。国の案内では、車の価値が100万円以下であることを確認できる査定証や査定価格を確認できる資料等を添付する取扱いが示されています。

これは相続人同士の合意を不要にする制度ではありません。誰がその車を取得するかの協議が成立していることと、申立書を使える条件・添付資料を確認する必要があります。「古い車だから100万円以下のはず」と自己判断して、家族の確認を省かないでください。

また、ウェブ上の概算価格や本サイトの参考価格が、そのまま手続き用の査定証として使えるとは限りません。資料の発行元・車両の特定方法・記載内容について、提出先に確かめてから取得しましょう。エムネットが特定の証明書を発行できることを、この記事で約束するものではありません。

売却するときは、相続と第三者への移転を一緒に検討する

「まず自分の名義にして、別の日に売却先へ変更しなければならない」と考える必要はありません。車検が有効な登録自動車では、相続による移転登録と、第三者への移転登録を同じ窓口で続けて申請する取扱いがあります。ただし、相続分と売却分それぞれの書類が必要です。

相続人側の書類だけを先に完成させるより、車を取得する人、売却先、申請を担当する人を決めて、譲渡証明書・委任状などの記載内容をそろえる方が手戻りを抑えられます。詳しい条件は相続した自動車を第三者名義にする手続きをご確認ください。

車検切れ・抹消済みの場合は、先に手続きの経路を確認する

車検が切れている車について、通常の移転登録と同じ書類だけで進められるとは限りません。再び使用するのか、使用をやめるのか、売却先で再登録するのかによって、相続と一時抹消登録等の組み合わせを検討します。国土交通省の相続手続きの分岐案内で全体像を確認できます。

売却相談のためだけに先に車検を取り直すと、予定していた売却方法と費用が合わないことがあります。まず車検の期限、抹消の有無、現在ある書類を伝えてください。現地からの移動が必要な場合は、不動車・車検切れ車の引き取り前の準備も確認できます。

家族の事情が複雑な場合、車を動かす前に整理すること

相続人の間で意見が分かれる、遺言の内容が不明、未成年者がいて利益相反が生じる、相続放棄を検討しているといった場合は、一般的な書類一覧だけで売却を決めないでください。相続や処分の権限は弁護士等の専門家へ、登録書類は管轄窓口へ確認します。

売るか残すかがまだ決まっていないご家族には、相続した車を売る・残すための家族での整理もあります。本記事では書類と登録手続きに絞っているため、気持ちの整理を急がせる必要はありません。

相談前に用意する、短いメモの例

次の項目を分かる範囲でまとめておくと、窓口や買取店への説明がしやすくなります。個人の書類の写真は公開投稿せず、送付方法を確認してから渡してください。

  • 車検証の所有者・使用者と、車検の有効期間
  • 相談する方と亡くなった方の関係、車を取得する相続人が決まっているか
  • 遺言や遺産分割の状況、手元にある書類
  • 保管している市町村、鍵の有無、最後に動かした時期
  • 売却・継続使用・廃車のうち、現在考えている方向

エムネットへの相続車の買取相談も、この情報から確認を進められます。店舗が公開している動画はエムネット公式YouTubeでご覧いただけます。

よくある質問

戸籍は家族全員の分を一律に集めればよいですか?

必要な範囲は相続関係と手続きによります。死亡と相続人を確認できる資料が必要ですが、法定相続情報一覧図を使う方法もあります。足りない資料や重複取得を避けるため、手元の書類を確認してから提出先へ相談してください。

家族の代表者一人が、他の相続人に確認せず売れますか?

代表して連絡することと、処分する権限があることは別です。遺言や遺産分割などで誰が取得するかを確認し、意見が分かれている間は売却・解体を進めず、専門家へ相談してください。

名義変更が終わるまで査定を頼めませんか?

売却の相談は名義変更前から可能です。相談時点で故人名義であることを伝え、契約・車両の引き渡し・登録手続きの順序を確認しましょう。相談できることと、手続きなしで売却できることを混同しないのが大切です。

手続き情報の確認日:2026年10月3日。国土交通省の公表資料に基づく一般的な案内です。相続の権利関係や個別の必要書類を確定するものではなく、実際の申請は管轄窓口の最新案内をご確認ください。